猫に関係した日本のことわざ・慣用句色々|猫に小判・猫の手も借りたい意味を解説

猫に関係した日本のことわざ・慣用句色々|猫に小判・猫の手も借りたい意味を解説

猫に関係した日本のことわざ・慣用句色々|猫に小判・猫の手も借りたい意味を解説

日本語には、猫に関係したことわざや慣用句がたくさんあります。

「猫に小判」「猫の手も借りたい」「猫をかぶる」「猫なで声」「猫背」など、日常会話でも使われる表現を聞いたことがある方も多いと思います。

猫は昔から人の暮らしの近くにいた動物です。

そのため、猫の自由さ、気まぐれさ、すばしっこさ、静かな雰囲気、人に近いようで少し距離を置く独特の存在感などが、日本語の表現にも多く取り入れられてきました。

このページでは、猫に関係した日本のことわざや慣用句を、意味や使い方と一緒にやさしく紹介します。

猫に関係した日本のことわざ・慣用句色々|猫に小判・猫の手も借りたい意味を解説を4コマ漫画で解説

猫に小判

意味:価値のわからない人に、どれほど貴重なものを与えても意味がないこと。

猫に小判を渡しても、猫にはお金の価値がわかりません。

そこから、どれだけ良いものでも、それを理解できない相手には意味がないというたとえとして使われます。

使い方の例
高価な道具を買っても、使い方を知らなければ猫に小判だね。


猫の手も借りたい

意味:とても忙しく、誰でもいいから手伝ってほしいほどの状態。

猫の手は、人間の仕事にはあまり役に立ちません。

それでも借りたいと思うほど忙しい、という意味で使われます。

日常生活でも仕事でも、かなりよく使われる表現です。

使い方の例
譲渡会の準備で、今日は猫の手も借りたいほど忙しい。


猫をかぶる

意味:本当の性格や本心を隠して、おとなしく見せること。

普段は活発だったり、気が強かったりする人が、ある場面ではおとなしく振る舞う時に使われます。

猫の静かでおとなしい印象から生まれた表現と考えられます。

使い方の例
初対面では猫をかぶっていたけれど、慣れるとよく話す人だった。


猫なで声

意味:相手に気に入られようとして、わざとやさしく甘えた声を出すこと。

猫をなでる時のような、やわらかく甘い声の印象から来た言葉です。

ただし、人に対して使う場合は、少しわざとらしい、下心がある、という意味を含むことがあります。

使い方の例
急に猫なで声でお願いしてきたので、少し怪しいと思った。


猫背

意味:背中が丸くなった姿勢のこと。

猫が背中を丸めた姿に似ていることから、背中が丸まった人の姿勢を「猫背」といいます。

現在でも日常的によく使われる言葉です。

使い方の例
長時間スマホを見ていると猫背になりやすい。


猫の目のように変わる

意味:物事がめまぐるしく変化すること。

猫の瞳孔は、明るさや気持ちによって細くなったり丸くなったりします。

そこから、状態や状況がころころ変わることを「猫の目のように変わる」と表現します。

使い方の例
天気が猫の目のように変わる一日だった。

猫の目のしくみについては、猫の視力と目のしくみについてもあわせてご覧ください。


借りてきた猫

意味:いつもと違って、とてもおとなしくしている様子。

普段は元気な人や子どもが、知らない場所や緊張する場面で静かになっている時に使われます。

猫は慣れない場所では緊張して動かなくなることがあります。その様子から生まれた表現です。

使い方の例
普段は元気なのに、面接では借りてきた猫のようだった。


猫も杓子も

意味:誰も彼も。何もかも。多くの人が同じことをしている様子。

「猫も杓子も」という表現は、良い意味というより、少し皮肉を込めて使われることがあります。

流行していて、誰も彼も同じようにしている、という時に使います。

使い方の例
最近は猫も杓子もその言葉を使っている。


猫の首に鈴をつける

意味:必要だと分かっていても、実行する人がいない難しい役目のこと。

ねずみたちが「猫の首に鈴をつければ近づいた時に分かる」と考えても、実際に誰が猫に鈴をつけるのかが問題になる、という話に由来します。

案としては良くても、実行するのがとても難しい時に使われます。

使い方の例
注意するべきだが、誰が猫の首に鈴をつけるのかが問題だ。


窮鼠猫を噛む

意味:弱い者でも、追い詰められると強い相手に反撃することがあるという意味。

追い詰められたねずみが、天敵である猫に噛みつくというたとえです。

普段は弱い立場の人でも、逃げ場がなくなると必死に反撃することがある、という場面で使われます。

使い方の例
あまり追い詰めすぎると、窮鼠猫を噛むということもある。


猫の額

意味:とても狭い場所や土地のこと。

猫の額は小さいため、狭い土地や小さな庭をたとえて「猫の額ほど」と言います。

少し自虐的に、自分の家の庭や土地の狭さを表現する時にも使われます。

使い方の例
猫の額ほどの庭だけれど、花を育てています。


猫舌

意味:熱い食べ物や飲み物が苦手なこと。

熱いものをすぐに食べられない人を「猫舌」と言います。

実際の猫も、熱すぎる食べ物は苦手です。

猫にごはんを与える時も、温めすぎには注意が必要です。

特にウェットフードを温める場合は、人肌程度にして、熱すぎないか必ず確認しましょう。

猫の食欲と匂いについては、猫の嗅覚についてと食欲は匂いが重要もあわせてご覧ください。


猫かわいがり

意味:相手を必要以上に甘やかしてかわいがること。

猫をなでたり抱いたりして、過度にかわいがる様子から生まれた表現です。

人に対して使う場合は、少し甘やかしすぎという意味を含むことがあります。

使い方の例
孫を猫かわいがりしている。


鳴く猫は鼠を捕らぬ

意味:よくしゃべる人ほど、実際には行動が伴わないことがあるという意味。

よく鳴いている猫は、ねずみを捕ることに集中していないというたとえです。

口ばかりで実行しない人を表す時に使われることがあります。

使い方の例
鳴く猫は鼠を捕らぬと言うように、口だけではなく行動が大切です。


猫ばば・猫糞を決め込む

意味:悪いことをしたのに、知らないふりをすること。

「猫糞」は「ねこばば」と読みます。

落とし物やお金などを拾って、自分のものにして知らん顔をするような意味で使われます。

漢字で書くと少し驚く表現ですが、日常では「猫ばばする」という形で使われることがあります。

使い方の例
拾ったお金を猫ばばしてはいけません。


猫に鰹節

意味:油断できない状況、危険な組み合わせのたとえ。

猫の前に好物の鰹節を置けば、食べてしまう可能性が高いものです。

そこから、誘惑に弱い人の前に誘惑するものを置くような、危険な状況を表します。

似た意味で「猫に魚を預ける」という表現もあります。

使い方の例
甘いもの好きの人の前にケーキを置くのは、猫に鰹節のようなものだ。


猫に魚を預ける

意味:信用できない相手や、誘惑に負けやすい相手に、大切なものを任せること。

魚が好きな猫に魚を預ければ、食べてしまうかもしれません。

そこから、任せる相手を間違えている、という意味で使われます。

「猫に鰹節」と近い意味の表現です。

使い方の例
無駄遣いしやすい人に予算管理を任せるのは、猫に魚を預けるようなものだ。


猫またぎ・猫もまたいで通る

意味:猫でさえ食べずにまたいで通るほど、まずいものや魅力のないもののこと。

猫は魚が好きな動物という印象があります。

その猫でさえ食べずにまたいで通るほどの魚、というところから、まずい食べ物や価値の低いもののたとえとして使われます。

「猫またぎ」「猫もまたいで通る」は、似た意味で使われます。

使い方の例
これは猫またぎと言われても仕方ない味だ。


猫の子一匹いない

意味:人影がまったくなく、ひっそりしていること。

小さな猫の子さえいないほど、誰もいない静かな様子を表します。

人通りのない道や、静まり返った場所を表現する時に使われます。

使い方の例
夜の商店街は、猫の子一匹いなかった。


猫足

意味:家具などの脚が、猫の足のように曲線的な形をしていること。

ことわざではありませんが、猫にまつわる日本語表現のひとつです。

テーブルや椅子、家具の脚が優雅に曲がった形をしている時に「猫足」と呼ばれることがあります。

少しアンティーク調、洋風、上品な印象の家具に使われることが多い言葉です。

使い方の例
猫足のテーブルが、部屋を上品な雰囲気にしている。


猫の恋

意味:春先の猫の発情期や、その時期の猫の鳴き声を表す言葉。

「猫の恋」は、俳句では春の季語としても使われます。

春先に外で猫の大きな鳴き声が聞こえることがありますが、その様子を表す日本語表現です。

一方で、現代の猫の飼育では、望まない繁殖を防ぐために避妊去勢手術がとても大切です。

避妊去勢手術については、避妊去勢手術についてもあわせてご覧ください。


その他の猫にまつわる言葉

ここまで紹介したもの以外にも、猫に関係した言葉はいくつもあります。

  • 猫飯:ごはんに味噌汁や汁ものをかけた食べ物を指すことがあります。
  • 猫の鼻先:とても近い距離や、わずかな差を表す時に使われることがあります。
  • 猫の尻尾:細長いもの、先の方だけ動くもののたとえとして使われることがあります。
  • 猫の魚辞退:本当は欲しいのに、表向きは遠慮するような態度を表す言葉として紹介されることがあります。
  • 猫も茶を飲む:柄にもないこと、似合わないことをするたとえとして使われることがあります。

現在ではあまり使われない表現もありますが、昔から猫が人の生活の近くにいたことが分かります。


猫のことわざには、猫らしさが表れています

猫に関係したことわざや慣用句を見ると、昔の人が猫をよく観察していたことが分かります。

気まぐれで、静かで、すばしっこく、時には自由で、時にはおとなしく見える猫の姿が、日本語の中に残っています。

ことわざの中には、猫にとって少し失礼に感じる表現もありますが、それだけ猫が人の暮らしの近くにいた存在だったとも言えます。

猫のことわざを知ると、日本語の面白さと、昔から続く人と猫の関わりを感じることができます。


まとめ

日本語には、猫に関係したことわざや慣用句がたくさんあります。

「猫に小判」は価値がわからない人には良いものを与えても意味がないこと、「猫の手も借りたい」はとても忙しいこと、「猫をかぶる」は本性を隠しておとなしく見せることを表します。

そのほかにも、猫なで声、猫背、猫の目のように変わる、借りてきた猫、猫も杓子も、猫の首に鈴をつける、猫の額、猫舌、猫またぎ、猫の子一匹いないなど、猫にまつわる表現は多くあります。

ことわざや慣用句を通して、昔から人が猫を身近な存在として見てきたことが分かります。