猫が吐く原因とは?よくある嘔吐と危険な嘔吐・受診目安を解説

猫が吐く原因とは?よくある嘔吐と危険な嘔吐・受診目安を解説

猫が吐く原因とは?よくある嘔吐と危険な嘔吐・受診目安を解説

猫は比較的吐きやすい動物です。

毛づくろいで飲み込んだ毛玉を吐くこともあれば、早食い、空腹、フード変更、ストレスなどで吐くこともあります。

そのため、「猫はよく吐くから大丈夫」と思われることもあります。

しかし、猫の嘔吐には、様子を見てもよい場合と、早めに動物病院へ相談した方がよい場合があります。

特に、何度も吐く、元気がない、食欲がない、血が混じる、下痢を伴う、子猫や高齢猫が吐く、誤食の可能性がある場合は注意が必要です。

このページでは、猫が吐く原因、よくある嘔吐、危険な嘔吐、受診の目安についてわかりやすくまとめます。

猫が吐く原因とは?よくある嘔吐と危険な嘔吐・受診目安を解説を4コマ漫画で解説

猫が吐いた時にまず見るポイント

猫が吐いた時は、まず慌てずに、吐いたものと猫の様子を確認しましょう。

一度だけ吐いて、その後いつも通り元気で、食欲もあり、排泄も普通であれば、少し様子を見られることもあります。

一方で、吐いた後にぐったりしている、何度も吐く、食べない、水も飲めない、血が混じる、下痢がある場合は注意が必要です。

吐いた時に確認したいこと

  • 何回吐いたか
  • 吐いたものはフード・毛玉・泡・黄色い液体・血液など何か
  • 吐いた後に元気があるか
  • 食欲があるか
  • 水を飲めているか
  • 下痢や便秘がないか
  • 誤食した可能性がないか
  • お腹を痛がる様子がないか
  • 子猫・高齢猫・持病のある猫ではないか

吐いたものを写真に撮っておくと、動物病院で説明する時に役立つことがあります。

また、いつ吐いたか、何を食べた後か、何回吐いたかをメモしておくと、原因を考える手がかりになります。


よくある嘔吐と考えられる原因

猫の嘔吐には、比較的よく見られる原因があります。

ただし、見た目だけで原因を完全に判断することはできません。

同じような吐き方でも、軽い原因の場合もあれば、病気が隠れている場合もあります。

吐いたもの・状況考えられる原因注意点
未消化のフード早食い、食べすぎ、食後すぐの運動、フードが合わない繰り返す場合は食道や胃腸の問題も考える
毛玉毛づくろいで飲み込んだ毛頻繁な毛玉嘔吐は見直しが必要
黄色い液体空腹時の胆汁、胃の刺激何度も続く場合は受診
白い泡胃液、空腹、胃のむかつき元気がない時は注意
透明な液体水、胃液、胃の刺激何度も吐く場合は脱水に注意
血が混じる胃腸の炎症、傷、異物、重い病気など早めに受診
異物が混じるひも、ビニール、植物、おもちゃなどの誤食すぐに動物病院へ相談

吐いた後に元気であっても、嘔吐が繰り返される場合や、体重減少、食欲低下、下痢などがある場合は、早めに動物病院で相談しましょう。


毛玉を吐く場合

猫は毛づくろいをする時に、自分の毛を飲み込みます。

飲み込んだ毛は便と一緒に出ることもありますが、胃の中でまとまって毛玉となり、吐き出されることがあります。

たまに毛玉を吐くだけで、その後元気と食欲がある場合は、すぐに大きな問題とは限りません。

しかし、頻繁に毛玉を吐く、吐こうとしているのに出ない、食欲が落ちる、便秘がある、ぐったりしている場合は注意が必要です。

毛玉対策の例

  • 定期的にブラッシングする
  • 長毛猫は特にこまめにケアする
  • 毛玉ケア用フードを検討する
  • 水分摂取を増やす
  • 便秘がないか確認する
  • 吐く頻度を記録する

毛玉だから大丈夫と決めつけず、頻度が多い場合や元気がない場合は受診を考えましょう。

長毛猫のケアについては、猫にシャンプーは必要?も参考になさってください。


早食い・食べすぎで吐く場合

食後すぐに未消化のフードを吐く場合、早食いや食べすぎが関係していることがあります。

特に、ドライフードを一気に食べる子、多頭飼いで急いで食べる子、空腹時間が長く食事に勢いが出る子では、食後に吐き戻すことがあります。

ただし、食後すぐに吐く状態が頻繁に続く場合は、単なる早食いだけでなく、食道や胃腸の問題、フードが合っていない可能性もあります。

早食い対策

  • 1回量を減らして回数を増やす
  • 早食い防止皿を使う
  • フードを少しずつ分けて出す
  • 多頭飼いでは食事場所を分ける
  • 食後すぐ激しく遊ばせない
  • フードの粒の大きさや種類を見直す

対策をしても吐く頻度が減らない場合は、動物病院で相談しましょう。

猫の食事については、猫の食事の基礎知識もあわせてご覧ください。


空腹で黄色い液体や白い泡を吐く場合

猫が黄色い液体や白い泡を吐くことがあります。

黄色い液体は胆汁が混じっていることがあり、空腹時間が長い時に見られることがあります。

白い泡は胃液や胃のむかつきで出ることがあります。

朝方や食事前にたまに吐き、その後元気と食欲がある場合は、食事間隔の見直しで改善することもあります。

ただし、黄色い液体や泡を何度も吐く、元気がない、食欲がない、下痢がある場合は、空腹だけではなく胃腸の炎症や病気が隠れていることもあります。

見直しポイント

  • 食事の間隔が長すぎないか
  • 1日量を数回に分けられないか
  • 寝る前に少量の食事を入れると改善するか
  • フード変更後に始まっていないか
  • 嘔吐の回数が増えていないか
  • 食欲や元気に変化がないか

空腹が原因と思っても、繰り返す場合は受診して原因を確認する方が安心です。


フード変更や食物不耐性で吐く場合

フードを急に変えた後に吐く場合、胃腸が新しいフードに慣れていない可能性があります。

猫によっては、特定の原材料が合わずに嘔吐や下痢が出ることもあります。

フード変更は、いきなり全量を変えるのではなく、今までのフードに少しずつ混ぜて、数日から1週間以上かけて切り替える方が安心です。

また、おやつ、人間の食べ物、脂っこいもの、乳製品などが原因で吐くこともあります。

フード関連で確認したいこと

  • 最近フードを変えたか
  • おやつを増やしたか
  • 人間の食べ物を与えたか
  • 古いフードや傷んだものを食べていないか
  • 食べた直後に吐くのか
  • 下痢やかゆみも出ていないか

フードを戻しても改善しない、下痢や体重減少を伴う場合は、動物病院で相談しましょう。

猫のフードの選び方については、猫のフードと選び方も参考になさってください。


ストレスで吐く場合

猫は環境の変化に敏感な動物です。

引っ越し、模様替え、新しい猫や犬、来客、騒音、生活リズムの変化などがストレスになり、嘔吐につながることがあります。

ただし、ストレスだけと決めつけるのは危険です。

嘔吐が続く場合は、病気が隠れていないか確認する必要があります。

ストレスのきっかけになりやすいこと

  • 引っ越し
  • 新しい猫を迎えた
  • 先住猫との緊張
  • 来客が続いた
  • 工事や大きな音
  • 家族構成の変化
  • 留守番時間が急に長くなった
  • トイレや食器の場所が変わった

猫の安心できる隠れ場所、静かな休憩場所、いつも通りの食事やトイレ環境を整えることが大切です。

猫の行動心理については、猫のゴロゴロ・スリスリなど行動心理についても参考になさってください。


誤食・異物で吐く場合

猫がひも、ビニール、輪ゴム、布、スポンジ、おもちゃの部品、植物、人間の薬などを食べてしまうと、嘔吐につながることがあります。

異物が胃や腸に詰まると、命に関わることもあります。

特にひも状のものは危険です。

口や肛門からひもが見えていても、無理に引っ張らないでください。腸を傷つける危険があります。

すぐ相談したい誤食の例

  • ひも、糸、リボン
  • ビニール袋
  • 輪ゴム
  • おもちゃの部品
  • スポンジや布
  • 観葉植物
  • 人間の薬
  • 殺虫剤や洗剤
  • チョコレート、玉ねぎ、アルコールなど猫に危険な食べ物

誤食が疑われる場合は、吐かせようとしたり、自宅で様子を見すぎたりせず、すぐに動物病院へ相談してください。

何を、いつ、どれくらい食べた可能性があるかを伝えることが大切です。


病気が原因で吐く場合

嘔吐の原因は、毛玉や早食いだけではありません。

腎臓病、肝臓病、膵炎、胃腸炎、炎症性腸疾患、便秘、糖尿病、甲状腺機能亢進症、感染症、腫瘍など、さまざまな病気で嘔吐が見られることがあります。

慢性的に吐く、体重が減る、食欲が落ちる、下痢がある、元気がない、飲水量や尿量が変わった場合は、病気の可能性を考える必要があります。

猫は具合が悪くても隠すことが多いため、嘔吐が続いている場合は早めに検査を受けることが大切です。

病気の例一緒に見られることがある症状
腎臓病水をよく飲む、尿が増える、食欲低下、体重減少
胃腸炎下痢、食欲低下、腹痛、元気消失
膵炎食欲低下、元気消失、腹痛、脱水
便秘トイレで踏ん張る、便が出ない、食欲低下
甲状腺機能亢進症食欲があるのに痩せる、落ち着きがない、飲水量増加
感染症発熱、下痢、元気消失、食欲低下
腫瘍体重減少、慢性的な嘔吐、食欲低下

高齢猫で嘔吐が増えた場合は、年齢のせいと決めつけず、血液検査や尿検査を含めて相談することをおすすめします。

シニア猫については、シニア猫の基礎知識も参考になさってください。


子猫の嘔吐は特に注意

子猫が吐いた場合は、成猫より慎重に見る必要があります。

子猫は体が小さく、脱水や低血糖が早く進むことがあります。

少しの嘔吐でも、食べない、元気がない、下痢がある、体が冷たい、ぐったりしている場合は、早めに動物病院へ相談してください。

保護直後の子猫では、寄生虫、感染症、フードの変化、ミルクの量、誤食などが関係することもあります。

子猫で急ぎたいサイン

  • 何度も吐く
  • 食べない
  • 元気がない
  • 下痢をしている
  • 体が冷たい
  • ぐったりしている
  • ミルクを飲めない
  • 体重が増えない、減っている

子猫の場合は「少し様子を見る」が危険になることがあります。迷う場合は早めに相談しましょう。

子猫を拾った時の対応については、子猫を拾ったらどうしたらいい?も参考になさってください。


高齢猫の嘔吐も注意が必要です

高齢猫では、若い頃より嘔吐が増えることがあります。

しかし、「年だからよく吐く」と考えて見過ごすのは危険です。

高齢猫の嘔吐には、腎臓病、甲状腺機能亢進症、胃腸の病気、便秘、腫瘍、薬の影響などが関係することがあります。

吐く頻度が増えた、痩せてきた、水をよく飲む、食欲が落ちた、毛づやが悪くなった、元気がないなどがある場合は、早めに検査を受けましょう。

高齢猫では、定期的な血液検査や尿検査が病気の早期発見につながることがあります。


危険な嘔吐・すぐ受診したいサイン

次のような場合は、様子見せず、早めに動物病院へ相談してください。

特に、何度も吐く、血が混じる、ぐったりしている、水も飲めない、誤食の可能性がある場合は注意が必要です。

すぐ受診を考えたいサイン

  • 1日に何度も吐く
  • 吐き続けて水も飲めない
  • 血が混じる、黒っぽいものを吐く
  • ぐったりしている
  • 食欲がない
  • 下痢を伴う
  • お腹を痛がる
  • よだれが多い
  • 異物や毒性のあるものを食べた可能性がある
  • 子猫や高齢猫が吐いている
  • 持病がある猫が吐いている
  • 体重が減っている
  • 週に何度も吐く、慢性的に続いている

VCA Animal Hospitalsでは、重い嘔吐や腎臓病・肝臓病など重大な問題が疑われる場合、脱水や電解質異常を補正するために入院や点滴治療が必要になることがあると説明しています。

猫は脱水が進むと状態が悪化しやすいため、迷う場合は早めに相談しましょう。

受診の目安については、動物病院に行く目安もあわせてご覧ください。


吐いた後に家でできること

猫が一度だけ吐いて、その後元気で食欲もあり、いつも通りに過ごしている場合は、短時間様子を見ることもあります。

ただし、繰り返し吐く場合や、元気がない場合は、家で無理に対応せず動物病院へ相談してください。

吐いた直後は、猫も気分が悪いことがあります。無理に食べさせたり、抱き上げたりせず、落ち着ける場所で休ませましょう。

家で確認・対応すること

  • 吐いたものを確認する
  • 回数を記録する
  • 元気や食欲を確認する
  • 水を飲めているか確認する
  • トイレの様子を確認する
  • 誤食しそうな物がないか周囲を確認する
  • 無理に食べさせない
  • 繰り返す場合は受診する

自己判断で人間用の胃薬や吐き気止めを与えることは絶対に避けてください。

人間には使える薬でも、猫には危険なものがあります。


動物病院で伝えるとよいこと

動物病院へ行く時は、嘔吐の状況をできるだけ具体的に伝えると診察の参考になります。

吐いたものの写真や、嘔吐の回数、食事内容、便や尿の様子などをメモしておくとよいでしょう。

病院で伝えるとよい内容

  • いつから吐いているか
  • 何回吐いたか
  • 吐いたものの色や内容
  • 食後すぐか、空腹時か
  • 食欲や元気の変化
  • 水を飲めているか
  • 下痢や便秘があるか
  • 尿の量や回数の変化
  • フードやおやつを変えたか
  • 誤食の可能性があるか
  • 持病や服薬中の薬があるか

必要に応じて、血液検査、尿検査、便検査、レントゲン、エコー検査などを行うことがあります。

慢性的な嘔吐では、見た目だけでは原因が分からないこともあります。


猫の嘔吐を減らすためにできる予防

すべての嘔吐を完全に防ぐことはできませんが、日常の工夫で減らせる嘔吐もあります。

特に、早食い、毛玉、フード変更、誤食、ストレスによる嘔吐は、生活環境の見直しが役立つことがあります。

嘔吐を減らす工夫

  • 定期的にブラッシングする
  • 早食い防止皿を使う
  • 食事を小分けにする
  • フード変更は少しずつ行う
  • 誤食しやすい物を片付ける
  • 観葉植物や薬を猫の届かない場所に置く
  • 水分をしっかり取れるようにする
  • ストレスの少ない環境を整える
  • 定期的な健康チェックを受ける

猫の水分摂取や食欲には、においも関係します。

猫の嗅覚と食欲については、猫の嗅覚についてと食欲は匂いが重要も参考になさってください。


「よく吐く猫だから大丈夫」と決めつけないでください

猫は吐きやすい動物ではありますが、頻繁に吐くことが正常というわけではありません。

昔からよく吐く、毛玉だと思っていた、食べた後によく吐く、という場合でも、実際には病気や食事の問題が隠れていることがあります。

特に、週に何度も吐く、体重が減る、食欲が落ちる、下痢を伴う、元気がない場合は、早めに受診しましょう。

嘔吐は猫からの大切なサインです。

一度だけで終わる軽い嘔吐もありますが、繰り返す嘔吐や、体調変化を伴う嘔吐は見過ごさないことが大切です。


まとめ

猫が吐く原因には、毛玉、早食い、食べすぎ、空腹、フード変更、ストレス、誤食、胃腸の不調、腎臓病、膵炎、感染症など、さまざまなものがあります。

一度だけ吐いて、その後元気と食欲がある場合は様子を見られることもあります。

しかし、何度も吐く、血が混じる、ぐったりしている、食欲がない、水も飲めない、下痢を伴う、誤食の可能性がある場合は、早めに動物病院へ相談してください。

子猫、高齢猫、持病のある猫では、嘔吐が悪化しやすいこともあります。

「猫は吐くもの」と決めつけず、頻度や猫の様子をよく観察し、必要な時は早めに受診することが大切です。