方向性について
完全合議制と完全自由主義でシェルターを立ち上げ始めましたが、収拾がつかず、修正を重ねながら現在の形になっています。
保護猫団体は、それぞれで考え方がまったく異なります。だからこそ、管理責任者である私が、まず一つの方向性を示さなければ、まとまっていけないと痛感したからです。
ただし、自分の考えや意見が気軽に言えない環境ほど、つまらないものはありません。
私は、何を言われても頭ごなしに否定したりジャッジしたりすることはありませんので、気軽になんでも言ってください。
私ではなく、あなたの基準の猫の幸せで大丈夫です。
猫の受け入れ数について
テレビなどで保護猫シェルターのイメージを持っておられる方が、QOL南大阪保護猫シェルターをご覧になると、まず猫の少なさに驚かれるかもしれません。
それは、私が「1匹でも多くの猫を温かい家庭に届けたい」と考える一方で、常に災害等の不測の事態を想定し、最悪の場合でも私一人でなんとか面倒を見られる範囲を意識しているからです。
実際、私の知り合いにも、高齢でありながら数十匹の猫を保護しており、数年以内に保護猫団体でありながら多頭崩壊としてニュースになりかねない方が何人もいます。
また、これまでにも崩壊した保護猫団体や保護猫カフェを何件も見てきました。
それは、猫を幸せにしようとして始めたことが、結果として猫を不幸にしてしまっているということです。
私は、そうした道をたどらないことを常に意識しています。
反面教師として見てきたこと
ちなみに、私が以前所属していた団体は、高齢女性一人による完全なトップダウン型の団体でした。
大阪有数の有名な団体ですが、QOL南大阪保護猫シェルターよりはるかに小さい物件に、常時120匹以上の大人猫が押し込まれ、狭い場所でほとんど動くこともできずにひしめき合っていました。
当然、汚物の臭いも常に充満しており、40人以上のメンバーがいながら管理は杜撰で、毎週1匹ずつくらい亡くなっていくような状態でした。
私の今の考えには、そうした状況を見てきた反面教師としての部分もあります。
将来の引き継ぎについて
私も、いつかは高齢者になります。
今の飼育環境では猫が20年生きることも珍しくありませんから、いずれ私自身が保護する資格を失っていく時が来ると思っています。
そのため、私はこのシェルターを、将来的には次の方へバトンタッチするつもりで運営しています。
ですから、QOL南大阪保護猫シェルターを、自分が作り上げた所有物のように考えている感覚は一切ありません。
猫が幸せになりさえすればそれでよい、という考えです。
代表および管理責任者となってくださる方が現れましたら、いつでもすべてをその方に引き継いでもよいと思っています。
その時は、私は引退ではなく、一個人として保護猫に関わらせていただけたらと思っています。
私が少し警戒していること
ここまで多くの保護猫団体や、保護猫に関わる方々と接してきて、少しだけ私が警戒していることがあります。
保護猫に関わる方は、大きく二つのタイプに分かれるように思っています。
- 不幸な猫が幸せになることだけを願う人
- 不幸な猫を扱っている自分に酔いたい人
私が少し警戒しているのは後者です。
多頭崩壊したり、保護猫を利用して何らかの利益を得ようとしたり、数年で飽きて猫を手放したりするのは、このタイプの方に多いように感じています。
わかりやすく言えば、顔出しで猫とともにSNSに登場すること自体が目的になっているような方々です。
これはあくまで私の個人的な考えですが、
「自分を愛せない人は、一番近い家族さえ愛せない。家族を愛せない人は、次に近い他者も愛せない。他者を愛せない人は、自分の猫を愛せない。自分の猫を愛せない人が、他所の、自分の猫ではないシェルター内の猫を愛せるはずがない」
と思っています。
後者の方は、最初の段階である「自分を愛すること」を飛び越えて、保護猫活動をしている自分を誰かに承認してもらうことが目的になっている場合が多く、私は譲渡時等におきまして、そこを警戒しています。
今いる子たちをまず幸せにすること
理想としては1匹でも多く救いたいと思っています。
しかし、現在いる子たちをまだ十分に幸せにできていない状況で、さらにもう1匹、とは考えていません。
その点はどうかご了承ください。
皆さんで分担しながら、まずは今いるシェルターの子たちをしっかり幸せにできるようになり、余裕が生まれてきた時に、さらにもう1匹、という形になるのだと思っています。
男性であることについての自覚
ただ、保護猫に興味を持って関わってくださる方々の多くが女性である、という現実があります。
その中で、現在は私だけが男性であることを自覚しています。
ですので、できる限り「こんな狭い場所で男性がいて居心地が悪いな」と思われることがないよう、配慮していきたいと思っています。
保護猫カフェ化とクラウドファンディングをしない理由
あと私は、「なぜ保護猫カフェ化しないの?」「なぜクラウドファンディングをしないの?」と、よく聞かれます。
猫カフェをしない理由は、私が猫カフェ自体を「生体販売」と同じ領域のものと考えていること、大事な子たちを好き放題触られたくないこと、そして人馴れしていない子にとって、不特定多数の人間に囲まれることはストレスでしかないと思っているからです。
クラウドファンディングをしない理由は、率直に言えば、クラウドファンディングを利用している方々の多くに「自分の身銭は切りたくないけれど、人からお金がもらえたらやってみようかな」という発想を感じることがあるからです。
たとえば、「うちの子がFIPになってしまい、医療費50万円がかかることになりました。どうかこの子を助けたいので、寄付をお願いします」という話を、よく目にすると思います。
それでは、この人は50万円集まらなければ、その子を見殺しにするのでしょうか。
そもそも、50万円の医療費も出せない方が、なぜ猫を飼っているのだろうか――私はそのような目で見ています。
そして、そのような方々と同類になるのが嫌だ、というのが理由です。
自分でも少し頭の固い人間だとは自覚していますが、この点については、今のところお許しください。
私が管理責任者を終えた後であれば、これらの方法を取っていただいても構いません。
今後の見方
私は以前、保護犬活動をしていましたが、保護が求められる犬の数よりも保護犬活動の人間の方が多くなってきまして活動を終了しました。
猫関係も年々保護猫活動される方が増えてきた実感がありますし、そのおかげもあって保健所による殺処分数もずいぶん減ってきました。
もしかすると猫もそういう経緯をたどるかも知れませんが、それが近い未来なのかどうかは今のところわかりません。
貴重な人生の時間を割いて、シェルターの子たちに関わっていただけることを、心より感謝申し上げます。
