子猫を迎えるにあたっての飼い方の基本

子猫を迎えるにあたっての飼い方の基本
子猫を新しい家族として迎える時、最初の数日から数週間の過ごし方はとても大切です。
人間にとっては「新しい家に来ただけ」に見えても、猫にとっては、知らないにおい、知らない音、知らない人、知らない空間の中に突然連れてこられる大きな環境変化です。
特に子猫は、見た目では元気そうに遊んでいても、内心では大きなストレスを感じていることがあります。
ここでは、QOL南大阪保護猫シェルターで子猫を迎えていただく際に、特に大切にしていただきたい基本をまとめています。
もっと詳しい猫の飼い方・迎え方について
猫を迎える前の準備、迎えた後の暮らし方、健康管理、保護猫との向き合い方など、より詳しい内容は、QOL南大阪保護猫シェルターが作成した「猫の飼い方・知識ページ」にまとめています。
このページでは、子猫を迎えた直後に特に大切な基本を中心にまとめています。あわせて下記ページもご確認ください。
ケージの大切さ
猫を迎えるにあたって、
「ケージはどうせ使わなくなるし、邪魔になるだけだからいらない」
と考える方も少なくありません。
しかし、猫は人間以上に住環境に強く影響を受ける動物です。
いきなり知らない家に連れてこられて、「はい、自由にどうぞ」とされても、猫は困惑してしまいます。
- トイレはどこ?
- 落ち着ける場所はどこ?
- ゴハンはどこ?
- お水はどこ?
- 安心して寝られる場所はどこ?
猫にとって、最初に必要なのは広い自由空間ではなく、安心できる小さな居場所です。
はじめての環境では、暗くて、少し閉鎖的で、狭い場所の方が落ち着きやすい子が多いです。
そのため、まずはケージの中を、家の中で一番安心できる場所にしてあげることが大切です。
ケージの中に用意しておきたいもの
- トイレ
- ゴハン
- お水
- ベッド
- 爪とぎ
ケージの中で、「ここならトイレもできる」「ここならゴハンも食べられる」「ここなら安心して寝られる」と覚えてもらいます。
ケージの置き場所は、できれば家族が集まるリビングなどの一番角の落ち着いた場所が望ましいです。
結果として、たとえ1週間ほどしかケージを使わなかったとしても、QOL南大阪保護猫シェルターでは、猫を迎えるにあたり必ずケージをご用意いただいております。
ケージは、猫を閉じ込めるためのものではありません。
新しい環境に慣れるまでの、猫にとっての「安心できる小さなお部屋」です。
また、ケージのご用意が難しい場合は、今後の医療費や飼育環境の維持も含めて、猫を迎える準備が十分かどうかを慎重に判断させていただいております。
初日はケージをシーツで覆う
非常に人馴れした猫でも、見た目には天真爛漫に遊んでいるように見えても、実際には大きなストレスを感じている場合があります。
はじめての場所にまったくストレスを感じない猫はいません。
そのため、初日の遊びやスキンシップはほどほどにしてあげてください。
特に、はじめての晩は、ケージの上面も含めて全体をシーツや布で覆ってあげることをおすすめしています。
視界が遮られることで、猫は少し安心しやすくなります。
夜鳴きをする場合もありますが、基本的には過度に反応しすぎないようにしてください。
夜鳴きのたびに毎回かまいすぎると、「鳴けば出してもらえる」「鳴けば相手をしてもらえる」と覚えてしまうことがあります。
もちろん、体調不良や異常がないかの確認は必要ですが、問題がなさそうであれば、静かに見守ってあげてください。
いつケージのシーツを外すの?
完全に人馴れしている様子の子猫であれば、2日目からシーツを外して様子を見ても構いません。
ただし、夜鳴きが続く場合は、夜だけ全面をシーツで覆う対応を続けても良いでしょう。
反対に、ずっとケージの隅で怯えて隠れている場合は、無理にケージから出さないでください。
人がいない時はケージをシーツで覆い、人がいる時はシーツを半分だけ開けて、人間の日常の動きを少し離れたところから観察させてあげます。
猫が安心していく流れ
猫は、無理に触られるよりも、「この人たちは怖くない」「この家は危なくない」「ここにいても大丈夫」と自分で確認できた時に、少しずつ安心していきます。
人間がケージのまわりを歩いても、シーツを開け閉めしても、隅で怯えず堂々としていられるようになれば、シーツはもう必要ない時期です。
子猫は見た目以上にストレスを感じている
初日から活発で、無邪気に遊びまわっているような子でも、実は強いストレスを感じていることがあります。
そのため、迎えてから数日間は、次のような変化が見られることがあります。
- ゴハンの量が減る
- 便がゆるくなる
- 少し隠れがちになる
- 夜鳴きをする
- いつもより寝る時間が長い
ただし、子猫は体力が少ないため、長く様子を見すぎるのは危険です。
丸1日ほとんど食べない、ぐったりしている、水も飲まない、下痢や嘔吐が続く場合は、早めに動物病院、またはQOL南大阪保護猫シェルターへご相談ください。
「慣れていないだけかな」と思っていても、子猫の場合は早めの対応が大切です。
フードについて
生後5ヶ月くらいまでの子猫にドライフードを与える場合は、できるだけぬるま湯、またはお湯でふやかしてから与えてください。
子猫の胃腸はまだ成長途中です。
硬いドライフードをそのまま食べるよりも、ふやかした方が消化しやすく、水分も一緒に摂りやすくなります。
ふやかす目安
ドライフードの約3倍量のぬるま湯でふやかすイメージです。
たとえば、ドライフード20gの場合は、60ccほどのぬるま湯でふやかします。
熱湯を使った場合は、必ず人肌程度まで冷ましてから与えてください。
猫は犬のように一気に全部食べる子ばかりではありません。
少しずつ食べる子も多いため、子猫の時期はある程度置き餌にしても構いません。
ただし、ふやかしたフードやウェットフードは傷みやすいため、長時間放置しすぎないよう注意してください。
朝晩の2回を基本に、残り具合や体重の増え方を見ながら、その子に合った量を調整していきます。
子猫の時期は、基本的にはしっかり食べさせることが大切です。
また、猫はもともと飲水量が少なめになりやすい動物です。
将来的に腎臓への負担を少しでも減らすためにも、QOL南大阪保護猫シェルターでは、大人猫にもドライフードをふやかしたものにウェットフードを混ぜて与えています。
子猫の頃から、水分を含んだ食事に慣らしておくことは、とても大切だと考えています。
いつ遊ぶ?
猫は、朝焼けや夕暮れの薄暗い時間帯に活動しやすい動物です。
そのため、遊ぶ時間としては早朝や夕方が向いています。
ただし、猫はある程度、人間の生活リズムに合わせる柔軟性もありますので、あまり厳密に考えすぎなくても構いません。
おもちゃは、どんなものでもすぐに飽きたり、壊したりすることがあります。
高価なものを少数用意するよりも、手作りのものや安価なものをいくつか用意し、ローテーションして遊ぶ方が良い場合もあります。
ただし、毛糸、ひも、リボン、ビニール、羽根など、噛みちぎって飲み込んでしまう可能性があるものには注意が必要です。
遊んだあとは、必ず片付けてください。
しっかり運動したあとにゴハンを出すと、食欲が増すこともあります。
ただし、夢中になりすぎて運動させすぎるのもよくありません。
遊びすぎのサイン
猫が口を開けてハアハア呼吸をしている場合は、遊ばせすぎのサインです。
その場合はすぐに遊びを中止し、落ち着ける環境で休ませてください。
爪とぎ
猫は、寝ていて起きた時や気分転換をしたい時に、近くで爪とぎをすることがよくあります。
爪とぎは、単に爪を削るためだけの行動ではありません。
気持ちを落ち着けたり、自分のにおいをつけたり、体を伸ばしたりする意味もあります。
爪とぎを置きたい場所
- ケージ内に1個
- お気に入りの昼寝場所の近くに1個
爪とぎの場所が少ないと、家具や壁で爪をといでしまう原因にもなります。
「ここで爪とぎしてほしい」という場所に、あらかじめ置いてあげることが大切です。
爪切り
爪切りが好きな猫は、ほとんどいません。
子猫も爪切りに慣れていないため、最初の1回は意外と成功することがあります。
しかし、そこで無理をしたり、深く切りすぎたり、押さえつけすぎたりすると、猫にとって爪切りがトラウマになってしまうことがあります。
ひどい場合は、その後まったく爪切りをさせてくれなくなることもあります。
最初は一度に全部の爪を切ろうとせず、1本だけ、2本だけでも構いません。
ネットや動画などで基本的なやり方を確認し、血管の位置に注意して、先端だけを少し切るようにしてください。
難しい場合は、無理をせず動物病院にお願いしても大丈夫です。
動物病院によっては、数百円〜1,000円前後で爪切りをしてくれるところもあります。
猫にしつけは効くの?
難しい話は避けますが、猫に犬のような「叱って教えるしつけ」は向いていません。
飼い主が猫に怒ってよい場面は、基本的にありません。
トイレの失敗、噛んでくる、大事なものを壊された、家具で爪をといだなど、いろいろなことがあると思います。
しかし、それらは猫が悪いのではなく、環境や人間側の対応に原因があることがほとんどです。
猫を叱る前に見直したいこと
- トイレを失敗するなら、トイレの場所、砂の種類、清潔さ、体調を見直す
- 噛んでくるなら、遊び足りているか、手で遊ばせていないか、興奮させすぎていないかを見直す
- 大事なものを壊されたなら、猫の届く場所に置いていなかったかを見直す
猫に罰を与えたり、叩いて教えたりすることは絶対にしないでください。
猫は「悪いことをした」と理解するのではなく、「この人は怖い」と覚えてしまいます。
猫を変えようとするより、猫が失敗しにくい環境を人間が整えることが大切です。
少し痛めの甘噛みをしてくる
子猫が少し痛いくらいに甘噛みをしてくることがあります。
これは多くの場合、欲求不満や興奮、遊び足りなさが関係しています。
- お腹が空いた
- オヤツがほしい
- 遊びが足りない
- かまってほしい
- なでてほしい
- 手をおもちゃだと思っている
この時も、叱らないでください。
猫の気持ちや欲求を読み取り、原因を探してあげることが大切です。
特に、人の手をおもちゃ代わりにして遊ぶのはおすすめしません。
手でじゃれさせると、猫は「人の手は噛んで遊ぶもの」と覚えてしまいます。
遊ぶ時は、必ず猫じゃらしなどのおもちゃを使ってください。
医療関係について
子猫の体重が1.0kgを超えたあたり、生後2ヶ月くらいで、最初のワクチンについて動物病院に相談してください。
その時に、できればその子がした便も一緒に持っていき、便検査を受けることをおすすめします。
保護猫や子猫の場合、見た目は元気でも、お腹の中に寄生虫や原虫がいることがあります。
便検査をしておくことで、早めに対処できることがあります。
ワクチンの目安
最初のワクチンの約1ヶ月後に、2回目のワクチンを行うことが一般的です。
ただし、ワクチンの時期や種類は、猫の体調、月齢、体重、生活環境によって変わる場合がありますので、必ず担当の獣医師と相談してください。
不妊手術の目安
不妊手術については、QOL南大阪保護猫シェルターでは、体重が2.0kgを超えたあたり、生後推定6ヶ月までをひとつの目安としておすすめしています。
ただし、不妊手術の時期や術後の管理については、動物病院によって考え方が異なる場合があります。
最終的には、担当の獣医師の判断に従って進めてください。
最後に
子猫を迎えることは、とても嬉しいことです。
しかし、猫にとっては大きな環境変化でもあります。
最初から自由にさせることが、必ずしも猫にとって優しいわけではありません。
まずはケージを安心できる場所にし、少しずつ人や家に慣らしていくことが大切です。
焦らず、叱らず、猫のペースを大切にしてください。
猫が安心して暮らせる環境を整えることが、何より大切な飼い方の基本です。
さらに詳しく知りたい方へ
子猫・成猫を迎える前の準備、迎えた後の暮らし方、健康管理、保護猫との向き合い方など、より詳しい猫の飼い方・迎え方については、QOL南大阪保護猫シェルターが作成した下記ページをご参照ください。
猫と人が安心して暮らしていくために、事前に知っておきたい内容をまとめています。


